
あれ!これ自分じゃないか!?って最初は衝撃を受けました
僕が「HSP」という言葉に出会ったのは、2019年の春ごろです。
それまではこのような概念があるなんて知りもしなかったし、「とても敏感なこと」は単なる自分の性格だと考えていました。
初めて「HSP」を知ったときは、衝撃を受けたと共に、かなり混乱してしまったのを覚えています。
けっこう曖昧な表現が多くて、自分が本当にそうなのか分からなくなってしまうんですよね。
今回は「HSP」について、4つの特徴「DOES」も含めてどんなものなのか紹介していこうと思います。
もしHSPという気質に興味があれば、参考にしていただければ幸いです。
目次
HSPとは”Highly sensitive person(ハイリー・センシティブ・パーソン)”の略語で「とても敏感な気質を持った人」って意味です。
これは、心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念。
「The Highly Sensitive Person: How to Thrive When the World Overwhelms You(邦題:ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ)」という本を出版したことで、その考え方が広く知れ渡るようになりました。

1996年にアメリカで出版されて、大ベストセラーとなったんだよ。
HSPの人は色々な事に対して繊細だから、羞恥心が強かったり、神経質だったり、心配性だったり、「生きづらい」と感じている人も多いんです。
博士の研究によると、生まれつき5人に1人がHSP(とても敏感な人)の気質を持っているといわれています。
あくまでもHSPというのは気質であって、性格とはまた違います。
気質=生まれつき持ってる変わらないもの
性格=自分や周りの環境で変わっていくもの
ただHSP以外にも色んな概念があって、それらが複雑に混ざり合っていることもあります。
内向型/外向型
心理学者カール・ユングが、1921年に出した著書『タイプ論』から広まった概念。
簡単に違いを言うと、心のエネルギーが”外側”に向いている人を「外向型」、”内側”に向いている人を「内向型」って風に分類しています。
HSPと内向型っていうのは性質がとても良く似ている(元々とても敏感なことは、内向型の特徴の一つだった)んだけど、HSPには外向型の人間も含まれることがわかってます。
HSS
HSSとは”High Sensation Seeking(ハイ・センセーション・シーキング)”の略語で「刺激を求める人」って意味です。
これは、心理学者マービン・ズッカーマン博士が提唱した概念。
刺激追求型とも言われていて、外にある新しい体験に興味を持ち、リスクを恐れずに刺激を求める傾向があるんだそうです。
一見HSPと真逆のHSSだけど、同じHSPという枠組みの中でも30%の人は、HSSの気質も併せ持っていることも研究されています。
そして、そういう人たちはHSS型HSPと呼ばれています。
エンパス
エンパス(empath)とは共感力が高い人って意味でHSPとよく似ているんだけど、中でもスピリチュアルの要素が強いってのが特徴です。
例えば、霊感が強いとか第六感があるとか、そういうのもエンパスの人に見られる特徴なんだって。
エンパスはHSPに含まれるというのが多くの見解で、同じHSPの中でも4人に1人がエンパスだといわれています。

細かく分けると複雑だけど、とりあえずHSPは「とても敏感な人」ってことだよ

HSPのセルフチェックテスト
まず本家のHSPテストとしてエレイン・アーロン博士のセルフテスト(日本語訳版)があります。
27個の設問から自分に当てはまる項目がいくつあるのかで、HSPであるかを判断するテストです。
参考 Are You Highly Sensitive?The Highly Sensitive Personとてもシンプルだけど、当てはまるか当てはまらないかの2択だから考えやすいのが特徴。

ちなみに僕は20個当てはまったよ
次にもう一つ。運営元はよくわからなかったけど、選択式のHSPテストがあります。
内容はデンマークの心理療法士イルセ・サンの本「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」にあるセルフテストと同じでした。(順序は少し入れ替えてある)
参考 HSP診断テスト僕の診断結果は以下のような感じでした。

こちらのテストは、曖昧な問いかけが多いので、その人の受け取り方によって選ぶ答えが大きく変わるという印象です。
まず僕は自己肯定感がけっこう低いから、あまり大きなことは言えない性格です。
例えば、以下のような設問。
新たな可能性や選択肢に気づくのが得意だ
すぐにインスピレーションを受けて、よいアイデアをたくさん思いつく
創造力がある
常にアンテナを張っていて、周囲の人がどんな気持ちでいるか察知することができる
自分でいうのもアレだけど、何となく「そうじゃないかな~」って思うところはあります。
でも「君って創造力があるよね」とか「周囲によく気が付くよね」って問われても、
「まさにそれな、わかってるじゃん!」なんて言えません。
「いや~、そんなことないと思うわ~」って言いながらニヤニヤするくらいが限界です。
他の設問に関してもそうだけど、「完全に当てはまる」みたいに「完全に」とか言われると躊躇ってしまいます。

本当に自分にはそんな力があるんだろうか?ってね
「ほぼ」とか「少し」当てはまるって答えるほうが精神的に楽です。
何が言いたいかというと、設問に対して性格上、断言できる人とできない人ではスコアにかなりの差が生まれるってこと。
HSPの診断テストっていっても完璧な物じゃないし、自己申告のセルフチェックだから仕方ないのかもしれません。
もしスコアが低かったとしても、自分にHSPの傾向が強いと思うのであれば、何か1冊くらい関連書籍を読んでみることをオススメします。

とりあえず、僕は本を5冊買ってみたよ。全然読み切れてないよ。
HSSのセルフチェックテスト
エレイン・アーロン博士のHPには、HSSのセルフテストもあります。
20個の設問から自分に当てはまる項目がいくつあるのかで、HSSであるかを判断するテストです。
参考 High Sensation Seeking TestThe Highly Sensitive Person
ちなみに僕は13個当てはまったよ
ただこれは今と昔で性格が変わってたりして、その選択肢に対する答えが元の気質なのか今の性格なのか判断するのが難しかったです。
ここからは、HSPの4つの特徴「DOES」について解説していきます。
この4つの特徴「D・O・E・S」に当てはまるかどうかで、HSP度合いが分かるとも言われています。
簡単に「DOES」言葉の意味を説明すると以下のような感じになります。
【D】深く処理する
Depth of processing
【O】過剰に刺激を受けやすい
Overstimulated
【E】感情的反応性・高度な共感性
Emotional reactivity and high Empathy
【S】ささいな刺激を察知する
Sensitivity to Subtle stimuli
①【D】深く処理する

処理の深さ(Depth of processing)
「処理が深いってどういうこと?」って最初に思いました。
僕なりに解釈すると、じっくりと考えてから決断するかどうかって感じです。
例えば、この”深く処理する”って言葉を見て、
「よくわからないけど、私は深く処理してるよ!」
「俺は何も深い処理はしてないぜ!」
って何も考えずに進めちゃう人よりも、一旦止まって
「私は深く処理できているんだろうか?」
「仮に当時の僕をAだと仮定して、処理の深さをCとするなら…」
みたいに、慎重に自分と照らし合わせて考える人の方が、深く処理しているってことだと思います。

僕は何事も深く処理しようとする傾向があるよ(処理できるとは言っていない)
この特徴としては、以下のようなことも挙げられます。
- 行動するよりも、まず先に考える
- 勝手に色々と想像してしまう
- 考えすぎてよく混乱してしまう
- リスクは避ける、負け戦はしない
- 考えをまとめるのに時間がかかる
- 自分で納得してから行動したい
- 何事もすぐには信用できない
- よく「気にしすぎ」だと言われる
②【O】過剰に刺激を受けやすい

過剰に刺激を受けやすい(Overstimulated)
HSPの特徴として、「過剰に刺激を受けやすい」ってのがあります。
僕なりに解釈すると、周りの人に比べて、心にグサッと刺さることが多すぎるって感じです。
例えば、周りの人が発する何気ない一言に、すぐ感情が揺さぶられてしまいます。
知り合いの女の子に「ポンタ君って小さいからね~」ってからかわれたとして、
「うるせーよ、そこがチャームポイントなんだよ」って笑って返すけど、
いったい何を小さいって言ってるのか気になって動揺してしまいます。
身長のことを言ってるのか、心の器の事なのか、はたまたアレのサイズの話なのか。
どちらにしろ、僕は人知れず大きなショックを受けてしまうんです。

普通に街を歩いているだけでも、見えない矢がめっちゃ飛んでくる感じ
他にも特徴としては、以下のようなことが挙げられます。
- 人が多いと神経を使い過ぎて疲れる
- テンションの上がり下がりがすごい
- 大きな音を聞くと圧倒されてしまう
- 驚いたときのリアクションがすごい
- 些細なミスでも動揺して頭が真っ白になる
- 嫌なことがあると気になって眠れなくなる
- 映画とか感動する場面じゃなくても泣く
- 疲れやすいから一人になる時間が必要
- 刺激を受けやすいが故に、自分に壁を作りがち
③【E】感情的反応性・高度な共感性

感情的反応性・高度な共感性(Emotional reactivity and high Empathy)
「感情的反応性・高度な共感性」って言われてもなんだそれ?って感じだけど、
自分なりに解釈すると、他人の感情に敏感で、まるで自分の事のように感じてまうってこと。
人の脳にはミラーニューロンという神経細胞があって、HSPの人はそれが活発らしいです。
他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように”鏡”のような反応をすることから名付けられた。他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感能力を司っていると考えられている。
ミラーニューロン – Wikipedia
例えば、友達の結婚式に招待されたときなんか、
僕と全く接点のない花嫁さん側のスピーチでも、感動して号泣してしまうクセがあります。
花嫁さん側の友達に、「新郎の友達なのに、この人なんで泣いてんの?気持ちわるっ」って目で見られます。

無意識に溢れてくるから、どうすることもできないんだよ
他にも特徴としては、以下のようなことが挙げられます。
- 好きな人の笑ってる顔を見るとホッとする
- 人の感情に流されやすい
- 怒っている人を見るとドキドキする
- よく人から相談を受ける
- 嫌なニュースを見ると、こっちまで気分が重くなる
- つられて笑うし、つられて泣く
- 人に見られていると緊張する
- つまらなそうな人がいると何か気になる
④【S】ささいな刺激を察知する

ささいな刺激を察知する(Sensitivity to Subtle stimuli)
HSPの特徴として「ささいな刺激を察知する」っていうのが挙げられます。
僕なりに解釈すると、音や匂い、人の声や表情の変化など、ささいなことにも気付きやすいって感じです。
特に五感(音・臭・光・触・味)に対して敏感な人が多いって言われています。
例えば、なんか匂うなーと思って「誰かオナラしたでしょ?」って聞くと、こういうのは言い出したヤツが一番怪しいとか言われて、真っ先に疑われることがよくあります。

小さな音とかにも「ビクッ!」って反応してしまうから恥ずかしい
この特徴としては、以下のようなことも挙げられます。
- 小さな音にもすぐ気づく
- 臭いに敏感で苦手な食べ物も多い
- 人の顔色を見て感情を察しやすい
- 何気ない物にも目を奪われてしまう
- なんとなく場の雰囲気がわかる
- ヤバそうだと感じて、すぐに話をすり替える
- 配置が少し変わってるだけで違和感に気づく
- 蚊が飛んでいる音にイライラする
ここまでHSPについて紹介してきたけど、もし自分に当てはまっていたとしても悩んだり深く考えすぎなくても大丈夫。

そんな僕は自分がHSPだと知ったとき、1週間ぐらい考えこんだけどね!
HSPは生まれ持った気質であって、性格みたいに後から変えられるものじゃない。
だったら「ポジティブに考えて、上手く付き合っていけばいい」って僕は思ってます。
確かに生きづらいかもしれないけど、この気質であることにメリットもあるんです。
例えば、以下のような感じに考えればいいんです。
- 先にある失敗を回避しやすい
- 想像力が豊かである
- 危機管理能力が高い
- 嬉しいときは人一倍嬉しくなれる
- 映画や本、芸術作品などをより楽しめる
- 相手の気持ちになって考えられる
- 人と争うことがなく平和に過ごせる
- 物事の小さな変化などでも楽しめる
- 他の人が気づかないことにも気付ける
HSPの特徴にカッコいい名前を付けてみたよ

ポジティブに考えるために、僕が持ってるHSPの特質にカッコよさそうな名前を付けてみました。
僕は考えてから動くことで、先にある失敗を回避しやすい能力を持っています。
あまりに考えすぎて、目の前にある成功すら回避してしまう事もよくあります。
僕にはあれこれ考えて、色々と想像してしまうクセがあります。そこから新たな発想が生まれることも。
恥ずかしくて言えないことが多いし、そのアイデア自体が良いか悪いかは、また別の話です。
「嬉しさ」「怒り」「悲しさ」「楽しさ」「憎しみ」「怒り」「驚き」
僕はこれらの感情に、いとも簡単に操られています。(操っているわけではない)
「お前のモノ(感情)は俺のモノ、俺のモノは俺のモノ」
周りが楽しければ僕も楽しくなるし、周りが悲しければ僕も悲しくなります。
でも器が小さいから、嫌いな人が楽しそうにしているとイラっときます。
どんなに些細な刺激でも、サッとからめとって離しません。そんな僕はいつもスウェットを着ています。
あと、ボーイって言ってるけど精神年齢の話です。実際は年相応の大人です。
僕が信仰している神様です。
一言で「HSP」といっても性格はそれぞれで違うし、いろんなタイプの人がいます。
でも生まれ持った気質という部分だけでも、同じような人がいるっていうのはやはり心強いものです。
もしこの記事を読んでくださった方で、「私もHSPです」って人がいたら手を挙げてください。
仮に誰かが「はーい♪」って手を挙げたとしても、特に何もありません。ごめんなさい。
そして、それでも僕らは同じ敏感な気質を持った仲間です。

世の中って辛いことの方が多いけど、あまり無理せずに頑張ろう!